■ プロフィール

Author: ねこ 
猫愛妻家。
持ち物全てを猫(黒猫だと尚いい)で染めようと密かに目論んでいる。

小咄は明るいモノよりも暗いモノを好みます。
一人称で意味不明な文をつらつら書く傾向が多々みられます。
でも心の奥深くではオールジャンルに対応できる人間になりたいと密かに思っております。

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私は誰かと問う、



期日までに更新すると決めたのに駄目人間。
少し遅れましたが更新。


本日のお題

    神様の悪戯10

「私は誰かと問う、」


真っ白な絹に包まれながら目を覚ました僕は、普段よりも重く感じる体を両腕に預けながら起こした。
重力に従う態勢を取ると、下へと引きずりこまれるような感覚が体を支配した為に直ぐ後ろにある壁に体を置いた。
絹の中から引きずり出した手を目線より高い位置まで持ち上げてくるりと返す動作を繰り返す。
部屋や体を埋めた絹たちと同じくらいに真っ白な腕には、機械の錆びた色のようなものが張り付いている。
模様の如く塗られた斑点が、昨日目にした時よりも体を侵食しているように見えたのは、気のせいではなかったかもしれない。

腕をゆっくりと下に降ろして、片方の指先で撫で上げる。
皮膚が動くのと同様に動く錆びた斑点を目にすると、それが故意に体に刻まれたものではないことが解る。
皮膚を握り上げると、斑点は範囲を広げて薄く伸びた。
これはこの人自身の体がら滲み出た色なのだと、認めたくなくとも認めざるをえなくなる。

斑点を逃がさないよう、視線を鋭くして捕らえる。
そうしていると、上から腕に向かって冷たい感触が広がっていく。
腕の上で丸い形になり、中心で分かれた後両側に均等に流れて落ちていく。
それが下に置かれた絹に染みこんで、透明なシミを作った。

この人はきっと今、とても悲しいのだと思う。
そのことを示すように、あふれ出したものは止まることを知らないのか、滝を作るように流れていく。
止め処なく流れていくものが涙なのだと頭が理解すると、この人の心が何かを感じたのか、心臓辺りがこれでもかという程に火照った。
次に喉の奥の温度がぐっと上がり、口からひゅっと音を立てて息を招き入れる。
このままでは息が止まってしまうのではないかと思うくらいに、乱れた呼吸音が部屋に反響する。

溢れ出る涙になのか、この腕に塗られた錆びた色になのか、それともこの息苦しさになのか、この人はとても悲鳴を上げている。
苦しい、辛い、どうして。
そんな言葉が次々と頭の中を呼応する。
何かを訴えているのはこの人自身なのか、それとも全く面識のない人なのか、それが何もわからないのだ。


──キ ミ ハ ダ レ 、ボ ク ハ ダ レ

──キ ミ ハ ボ ク デ 、 ボ ク ハ キ ミ ……?


ぐっと息が詰まった途端、電源が切れるようにこの人の意識が途絶えた。
もちろん、この人と同様に自分も意識もパチンと音を立てるようにして途絶えたのは、言うまでもない。















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